シリーズ「現場から、」。反政府的な動きを取り締まる国家安全維持法の施行後、急速に中国化しつつある香港に入り、民主主義と自由の行方を取材しました。
記者
「今、民主派団体のデモ行進が始まりました。政治犯を釈放しろと訴えています」
中国の建国記念日、国慶節にあたる1日に香港で行われた抗議デモ。参加したのは民主派団体のメンバーわずか4人。例年、大規模な抗議デモが行われるため、警察は8000人態勢で厳重警戒しましたが、今年は、ある理由からデモの呼びかけすらなかったのです。
香港の六四記念館。中国で民主化運動が武力で弾圧された天安門事件の写真などが展示されていました。しかし先月、警察の家宅捜索を受け、展示品はほぼ全て押収されたのです。記念館を運営する「支連会」は事件があった6月4日に毎年、追悼集会を開催してきました。愛国・民主・人権が確立した中国を目指す、という考えで活動してきましたが、先月、国安法違反の罪で起訴され、解散に追い込まれました。
支連会 蔡輝昌さん
「(合法的に)30年以上運営してきたのに、国安法違反罪で起訴されるとは思ってもみませんでした」
香港では8月にも2019年の200万人デモなどを開催した民主派団体が解散しています。デモや集会を通して政府に意見をする、香港流の「愛国」が受け入れられなくなったと民主派の元区議は指摘します。
民主派元区議 梁柏堅さん
「今の政府は(支連会のような)愛国を必要としていません。中国政府にとっての愛国者は、彼らの言うことを聞く人のことです」
政府に物申すメディアにも当局の圧力が。2019年にデモ隊と警察の衝突を最前線から伝えた香港の学生メディアは報道の自由が制限されるようになったと話します。
香港理工大学学生会 編集長
「大学側は私たちのソーシャルメディアへの投稿を気にしています。大学側が適切でないと判断したら訂正するよう指示されます」
香港のジャーナリスト団体は7月、「粉々になった自由」というタイトルの年次報告書を発表。中国政府を正面から批判してきたリンゴ日報が休刊に追い込まれた後、香港のメディア各社は摘発をおそれ、政府批判を躊躇するようになったといいます。
香港記者協会 陳朗昇 主席
「(主流メディアは)政府側の発表をそのまま報道することが多くなりました。北京(中国政府)の力が発揮されています」
急速に中国化が進む香港。「香港は安全になったが大切なものを失った」、そう話す香港の人々の言葉に自由を失った悔しさがにじんでいました。(06日11:11)
#中国 #香港 #国家安全維持法
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